プレゼンテーション上手で仕事が楽しくなる。話し方が武器になる――共鳴発声法によるプレゼンテーションのボイスアカデミー
プレゼンテーション初級編

はじめに
  1. プレゼンテーションが怖い
  2. なぜプレゼンテーションが下手なのか
  3. プレゼン上手とプレゼン下手が逆転する


第1部 デリバリー
  1. デリバリーとコンテンツ
  2. 動作(ビジュアル)と話し方(ボーカル)
  3. ノイズ除去(癖を取り除くとフォーカスできる)
  4. 動作の基本
  5. ジェスチャー(数、位置、程度、動き、強調)
  6. よくある癖
  7. アイコンタクトは長めに
  8. 話し方──言葉、声
  9. 言葉の癖
  10. 短文化とは
  11. 言い切る
  12. 間(ま)には2種類ある
  13. 「。」「、」を言うつもりで話す
  14. プレゼン上手は抑揚(強弱、高低、速さ)がうまい


第2部 コンテンツ
  1. シナリオを作る(言語戦略的シナリオで相手の状態を変化させる)
  2. 資料に書きすぎない(情報の圧縮)
  3. キーワードを工夫する
  4. 資料にも「間」(余白)
  5. PREP法、SDS法
  6. Q&A(相手が抱きそうな疑問を洗い出す)
  7. ビジュアルエイドの作り方、使い方(スライド、PC、ビデオ、OHP、ボード、ポスター)
  8. オープニングテクニック(問題提起、事実提示、現状看破)で引き込む
  9. タイトルを工夫、冒頭の一枚にこだわる
  10. 質疑応答は「質問→感謝→回答→確認→まとめ」
  11. 質問が来たら、仕分ける
  12. 1分間プレゼンテーションで練習しよう







プレゼン上手は抑揚(強弱、高低、速さ)がうまい


●楽譜をイメージしてみよう


プレゼンテーション上手は、抑揚のコントロールに長けています。

  • ゆっくり話す
  • 気持ち高めに明るく話す
  • しっかりした声で話す

こういった「話し方の基本」はよく言われますが、うまい人は「変化」をつけるのです。

ゆっくり話すだけでは、もたつく。かといって早口では聞き手がついてこない。

高めの声だけでは、テンションが高すぎて落ち着かない。かといってずっと低かったら場が暗い。

声量は大事ですが、ずっと声を張り上げられたら、耳をふさぎたくなる。

抑揚のある、変化のある話し方を工夫しましょう。

イメージは「楽譜」です。

楽譜には、話し方のデリバリーに関する大事な情報がしっかり書き込まれています。

速さ、高さ、音の伸ばし方、強弱の指示が楽譜のすべてといってもいいでしょう。

単調にならない、変化に富んだ、それでいてナチュラルな話し方を練習してみてください。



●スピードは自覚しにくい


話し方の中でも、「話すスピード」は自分でコントロールしにくい要素の代表です。

高速道路から一般道路に降りた直後、気づくとスピードオーバーしていた経験はありませんか。

なければ幸いですが、私は何度もあります。

高速道路に馴れたスピード感覚が戻らず、時速80kmや90kmを速く感じないせいです。

つまり、そのときの意識状態によって、同じスピードを速く感じたり遅く感じたりするので、「このくらいが適切」と感じるスピードが安定しないのです。

話すスピードも同様で、気分が高ぶったり焦ったりしているときは早口になるし、リラックスしているときは遅めになる。

しかもその変化に本人は気づきません。

「わたし早口なんです」とこぼすくせに、スピードが一向に改善しないのは、そのせいです。



●録音すれば客観的に聞ける


では、どうしたら自分の話すスピードを自覚できるでしょうか。

一人でもできるお奨めのトレーニングが「録音」です。

プレゼンテーションを録音──または動画撮影──して、しばらく時間をおいてから聞いてみてください。

時間をおくと、意識状態の違う自分の話し方を聞くことになるので、あたかも他人の話を客観的に聞いているような聞き方ができます。

ほら、「ずいぶん急いで話している」「もっと落ち着けばいいのに」などと発見があったでしょう。

気づいたポイントを意識して、直しながら録音を繰り返すと、話すスピードが適切になってくるだけでなく、話している最中にスピードを客観視する感覚が身につきます。

ちょうど、高速道路を降りた直後でも、「すごく遅いように感じるけれど、自分の感覚が変わっているから、これでちょうどいい」と、別の自分が判断できるような具合です。



●ゆっくりしゃべれたら中級者


話すスピードが遅くてトラブルになるケースは稀です。

たいていは早口になって「伝わらない」「慌ただしい」「感じがよくない」になる。

だから、「速くしゃべる練習」は要りません。いつも言い間違える──俗に“噛む”──言葉やフレーズは、何度も練習したほうがいい。

でもそれは、「速くしゃべる」ための練習ではありません。

むしろ、「ゆっくりしゃべる」練習をお薦めします。

慌てず騒がず、自分の意識状態に左右されず、ゆったりと話せたら、それだけで「話し方の中級者」といえるでしょう(さすがに上級者は言い過ぎですが)。

逆に、何かの加減でつい意図せず早口になってしまううちは、まだまだトレーニングが足りません。






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